顎関節症
顎関節症とは、顎の関節の周りに痛みがあり、口が開きにくくなる病気です。治療を受けないと慢性化して、顎の関節に負担をかけたり、肩こりや頭痛といった全身症状として現れることもあります。
どんな時に顎関節症を疑うの?
顎関節症には特徴的な症状があります。以下はチェック項目です。
- 口を開けた時、左右で開きにくい方の顎がある
- 口を開けてゆっくり閉じたとき、顎が左右にゆれる
- 口を開けてゆっくり閉じたとき、「カクッ」と音がする
- 口を開閉すると、顎に痛みがある
- 口がうまく開かないことがある
- 舌をおおきく出したとき、左右対称ではない
- 左右の眼のラインと口の水平のラインが平行ではない
- 噛むと顎が痛い
- こめかみを押すと痛い
- ほほ骨を下に押すと痛い
- 朝起きたときに口がうまく開かないことがある
いかがでしょうか?あくまで目安となりますが、
・2つ以上当てはまる人は、顎関節症になりかけている可能性
・4つ以上当てはまる人は、顎関節症です
・6つ以上当てはまる人は、顎関節症が及ぼす影響が強くさまざまな問題が起こっている状態
と考えられます。
顎関節症の原因は?
顎関節症の原因は大きくわけて3つあり、生まれ持っての「素因」(顎関節の発達が未熟、不適切な歯科治療、噛み合わせの問題)、外傷など発症のきっかけになった「発症因子」、「持続因子」(顎関節に悪い習慣)があります。これらの原因が重なり合って発症することが多いです。
顎に負担をかける悪習慣としては下記が考えられます。
- ものを片方の顎だけで噛む
- 横を向きながら食事をしている(テレビが横にあるなどのため)
- ほお杖をよくする
- 顎と肩で電話をはさんで通話する
- 姿勢が悪い
- 夜間の歯ぎしりや、日中の歯の食いしばり
が挙げられます。
顎関節症の治療とは?
顎関節症の治療は、「歯の治療」、「顎関節周囲の治療」、「それ以外」の3本柱です。顎関節症を起こす原因は、ひとそれぞれであり、一人一人にあった治療が必要となります。
歯科治療では、虫歯や歯周病、あるいは噛み合わせが悪いために片側だけで噛む習慣がついていることがあります。これらの治療をおこなうことで、噛み方のアンバランスさを直します。
顎への治療では、歯ぎしり予防にマウスピース作成、マッサージ・ホットパックといった保存療法に加えて、関節の手術が行われることがあります。
その他の治療では、炎症をおこして痛みがある場合は抗炎症・鎮痛薬の使用、筋弛緩薬の使用、あるいは首や背骨の整体・マッサージなどが挙げられます。